デジタル遺品サービスのパッケージ化
古田:
とりあえず私が頭に立って何かやるということは今のところ考えていないです。数年後どうなってるかは分からないですけどね。
大前:
デジタル遺品を扱うためにはこういう資格がいるよ!という資格制度のようなものを作れたら世の中のためになるね、という話もしていまして、そういう制度を作る際にぜひ古田さんのお力添えしていただければと考えています。
古田:
運営とかはつくづく向かないなと思いまして(笑)運営の立場じゃなければ、できることがあればもちろんご協力しますよ。
大前:
ありがとうございます。今DDL(Digital Data Legacy)という形でサービスインに向けて本格的に動いていて、サービスの内容を考えなければいけない状態なんです。
古田:
でも、もう御社はデジタル遺品サービスされているじゃないですか。TVでも有名ですよね(笑)あれをベースにして拡大していくという感じですかね?
大前:
デジタル遺品をもっとパッケージ化したいんです。葬儀業界、家財整理業界の方などにサービスを展開するときに写真・思い出パッケージとか、相続系なら遺産相続パッケージという風にパッケージ分けをしていこうという話をしていて。パッケージ化するとなったら古田さんはどういう風にしますか?
古田:
葬儀社さんをターゲットにするか税理士さんとかそういう相続系を色々調べたいという人を対象にするかで、変わってくるかなとは思うのですが。まずは、葬儀社さん関係になってくると顧客満足度を上げるためにサポートしたという意識が働くと思うので、思い出などに寄り添ったサポートをすると喜ばれると思います。具体的には最近遺影といっても自分一人だけのポートレートだけじゃなくて、家族とみんなでニコっとしているような写真などがあったりするので、そういったいい感じの写真をお葬式や四十九日に間に合わせるような形で広めるとか。あとはSNSだったり何かいい感じの名言じゃないけどもそういう為人を表すようなものをピックアップして出したりだとか。
大前:
なるほど、それはいいですね。とにかくデジタル遺品は理解しにくく、認知度も低いので。
古田:
それを一つにまとめられたりしたら喜ばれるんですよね。SNSとかを頻繁にやっている人だったら特に。そのうえで、困るのは遺品のパスワードが開けないっていうのはあるでしょうし、ネットバンクとかどのような感じでお金のやり取りをしていたのかが分からない。
電話番号の解約とかのタイミングとかも結構微妙じゃないですか。最近ではLINEと電話番号は紐づいています。電話番号だけを解約しちゃうとLINEのIDはずっとそのまま宙に浮いちゃって、電話番号は再利用されるので再利用された後に全く知らない人のものになってしまう、という問題があります。でもLINEは一身専属タイプのサービスなのでそれに対してサポートしてくれるんですね。だったら、そういったことを知っている専門家の人が「電話番号を解約する前にちょっと待ってください、LINEを調べましょう!」という助言を専門家がするとか。しかも最近LINEってLINEpayで結構な高額を貯めている方もいらっしゃいます。LINEpayもサービス解約しちゃったら、0になるんですよ。ですが遺族が「この人亡くなったからLINEpayを指定口座に振り込んでください」と言えば、それはしてくれます。
そういったアドバイスをして「LINEpayありますね、ではこうしましょう」という風に、導く。というのをバックグラウンドにしつつ、表では「思い出などをデジタルから拾いますよ」という形にすると顧客満足度は上がるんじゃないかなと思います。でも、税理士さんとかだと思い出関係よりは実務にグッと寄って海外の口座があった場合はどうするの?といったところまで全部サポートできるような形でケアしていく。という風になると思います。一般のコンシューマーに響くのは葬儀サポートの方だと思うんですけど、お金が動きやすいのは税理士系かなと思います。