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セールスフォース・ドットコム様との対談

セールスフォース様との対談 セールスフォース様との対談

デジタルトランスフォーメーション時代
インバウンドセールスとその魅力について

Salesforce鈴木淳一事業部長

鈴木 淳一

株式会社セールスフォース・ドットコム
セールスデベロップメント本部
コマーシャル事業部/スタートアップ戦略部
事業部長


私自身は入社9年目で、いわゆるセールスフォース・ドットコム育成プログラムで育ってきた1人になります。インサイドセールスから外勤営業、そしてインサイドセールスのマネージャーになりました。インサイドの管理職になって5年目です。一番下から上がってきて、現在事業部長を務めています。

セールスフォース・ドットコムについて

熊谷:
本日はお忙しい中ご協力いただきありがとうございます。早速ですが簡単にセールスフォース・ドットコムについてご紹介いただけますか?
鈴木:
こちらこそ宜しくお願いします。弊社は1999年に米国で創業して以来20年、クラウド型CRMを提供して、お客様の営業支援や顧客満足の向上をサポートして参りました。私自身は入社9年目で、いわゆるセールスフォース・ドットコム育成プログラムで育ってきた1人になります。インサイドセールスから外勤営業、そしてインサイドセールスのマネージャーになりました。インサイドの管理職になって5年目です。一番下から上がってきて、現在事業部長を務めています。
salesforce鈴木淳一事業部長
DDS熊谷聖司CEO

マーケティングについて

熊谷:
セールスフォース・ドットコム様はどのようにお客様を獲得していますか?
鈴木:
様々なマーケティング活動を行なっています。マーケティングチーム主催のイベントや展示会系から、デジタルの施策、キャンペーンまで幅広く活動しております。一番注力しているのはデジタルでのリード獲得です。次にインサイドセールス総出でイベントでのリード獲得になります。これが弊社の必勝パターンになります。
熊谷:
米国サンフランシスコで開催するDreamforceや東京で開催するSalesforce World Tourにも参加させてもらっているのですが、御社の集客力には本当に感心してしまいます。
鈴木:
ありがとうございます。イベントは、このように自社開催のものと(エグゼクティブラウンドテーブルなど)と、他社協賛(メディア主催のものなど)の2種類があります。Dreamforceは登録者数17万人にも上りますし、街全体がイベントになりますから。東京で開催するものも、参加者数1万人規模で、自社開催イベントとしては国内最大級規模と言っていいかと思います。


デジタルマーケティングとは?

熊谷:
基本はwebでの集客でしょうか?
鈴木:
サードパーティーでの媒体出稿もありますね。SEO対策、SNS広告含め幅広く対応しております。基本的には各担当が細かくアサインされており、一部の外部支援を含め活動させてもらっています。
熊谷:
弊社はずっとインハウスなんですよ。
鈴木:
それは凄い。
熊谷:
マーケティング3名で月間でもかなりの数のリードを作ります。そのため業務は結構ハードで、離職率が課題となっています。採用コストや育成を考えると外注も検討しなければならないですね。
鈴木:
細かい修正まで全て社内対応だと大変なこともありますので、外部の力を借りることもありますね。
熊谷:
47都道府県中、7エリアでリードの7割を獲得しているんですよ。CPAに関しては細かい計算が必要ですが日々調整しています。年間かなりの予算を使うのでGoogle Partnerにもなりました。
鈴木:
えーお金持ちですね(笑)その予算は驚きです。それだけの数千件のお問合せが30-40名のインサイドセールスに割り振られる環境は幸せですね。この業界で聞いたことがないリード獲得数、バランスです。一人当たりに潤沢に割り振られてますね。
セールスフォースエントランス
セールスフォース・ドットコム x DDS

インサイドセールスの魅力について

熊谷:
今回は採用の観点でお聞きしたいのですが、インサイドセールスの魅力とは何でしょうか?
鈴木:
よく聞かれるのですが“非対面営業力”向上です。視覚情報を制限された状態で、いかにお客様の経営課題を聞き出すか?自分自身のトークをどう訴求するのか?という経験ができるのは、営業として本当に良いトレーニング、経験だと思います。視覚資料を活用してお客様に提案することは意外と簡単で、何なら会社が用意した動画を流せば良い。視覚情報を制限した電話やメールで深くお客様に入っていくには、言葉の選び方や課題の抽出の仕方、話のフレームワークなどを一件一件真剣に考えなければなりません。それが1日お客様と40回コネクトしたとすると、自分の営業力を40回試せることになります。外勤営業の10倍くらいのアプローチを試すことが可能となります。自分自身の営業力を育てたり、非対面営業はインサイドセールスにとってかなりのプラスになります。
熊谷:
どのような人材がインサイドセールスに向いていますか?
鈴木:
私の観点で言うと、まず成長意欲がある人です。例えば電話営業でアプローチすることを自分自身の成長機会と捉えられる人。採用時特に気にしているのですが、お客様の細かい行動に敏感な人、気が使える人かどうかを見ています。相槌一つ、お客様の話の間などを気にすることができる人はインサイドセールスとしてすごく向いていると思います。例えばお客様が「まあ、いいんだけどね〜、、、」と発言した際の、「けどね」の部分です。どこか引っかかるところはございますか?とこちらから言える人が向いていると思います。そういうのが気にならない人、お客様と被って喋る人、自分の方が先に喋る人はインサイドに限らず営業全般的にダメだと思います。
熊谷:
私も昔よく現場で指導していたのですが、電話営業は本当に難しい。人間の脳や身体が凄いと感じるのは、電話の声で相手が今何をやっているのか想像できるということです。今コーヒー飲んだな、タバコ吸ったな、とか何となく分かるんですよね。ちょっとした音や間で感じるんです。ジェスチャーもせずに電話している人としながら電話する人は伝わり方が全然違う。私自身も対面営業をしている気持ちで電話するように指導していました。成約率が全然違ってきます。
鈴木:
確かに成約率は変わりますね。弊社も勝負案件は立って電話します。社内にスタンディング席があり、そこで集中コールの時は集まり、全員が横並びでコールしたりします。相手が経営層の商談の際には、実際に名刺交換を行なっている感じで電話します。挨拶の際に実際に頭を下げているメンバーもいますね。それぐらいリアルに真剣にやっています。
熊谷:
弊社も以前はお客様の似顔絵を書いて、目の前に貼り、実際に話をするイメージでトライしたこともあります(笑)真剣なんです。
鈴木:
一部メンバーは鏡を置いてますね。自分が話ししている顔をちゃんと見ながら電話しています。
熊谷:
昔本で読んだのですが、アメリカにモーニングコールを専門に行う企業があるそうです。驚いたのが、女性が自宅からお客様に電話をする際には厳しいルールがあり、必ず化粧をバッチリして制服に着替えてコールしなければならないとのことでした。自宅からですよ。本当に正装した段階で電話をしなければならない。気持ちが声や音に出てしまうそうです。パジャマでコールはクビになるとのことでした。電話ってそのくらい難しいものなんですよね。鏡を見ることにも納得です。
鈴木:
気持ちが声に出るというのは良く分かりますね。弊社のインサイドセールスは実は私服ではありません。お客様に会うことはほぼ無いのですがネクタイしています(笑)。金曜日だけカジュアルデーですね。
熊谷:
弊社も見習いたい点です。皆さんすごく印象いいです。
鈴木:
ありがとうございます!お客様にアプローチする側として、私服のゆるい格好で電話しているのはどこかしらできっと伝わる、なので基本的にスーツです。またご来社時にインサイドセールスの見学をされる場合も多々あります。基本いつでも来客対応できるようにしています。
熊谷:
今回の対談も急な来客対応でしたね(笑)。
Office Spaces at Salesforce
セールスフォースエントランス
セールスフォースエントランス
セールスフォースエントランス
salesforce鈴木淳一事業部長

インサイドセールスで伸びる人

鈴木:
面接でもよく聞かれるのですが、情報アンテナの高い人です。そして新しい情報が入ってきた時にトライする人。同じ情報が入ってきてもすぐに反応する、そして次の電話からすぐに使う人が伸びる人です。逆に伸びないタイプは、自分自身のパターンとか過去やってきた営業スタイルがあると信じているタイプです。「これが俺の勝ちパターンだからこのやり方で勝ちたい」という人はほとんど伸びない。電話営業の良い所は、一緒に皆集まって電話しているので、隣の人が新しい事例の使い方で良いアプローチができたと聞けばすぐにシェアできることです。そしてその場で試す。皆でやろう!とドンドンできるのはインサイドセールスの良い所です。外勤の場合だと「今月こうだったから来月こうしよう」と月単位でのスピード感になってしまう。インサイドなら今日やってよかったから今から皆でやろう、こんな感じです。トライアンドエラーを繰り返すスピードが驚異的に早い。そしてそれに対応できる人は伸びます。やって試してダメだったらやめる人が良い。やらずに判断する人が一番ダメです。

育成について

熊谷:
インサイドセールスの育成はどのようにされていますか?
鈴木:
基本的に情報アンテナが高い人が伸びるのは共通点なので、とにかくレスポンスを早くするように教育しています。情報のインプットアウトプットのスピードを上げさせます。例えば社内Chatterの投稿に対するレスのスピードやいいね!を押しているかなど実際はかなり細かくチェックしています。Chatter投稿数やいいね!数ランキングも全てダッシュボードレポートでチェックしています。成績はそれに連動していますね。売れる人ほどレスが早いという特徴はあります。
熊谷:
すごく分かります。レスに1日掛かる人が社内にもいますね。とにかく遅い。
鈴木:
矛盾する話になりますが、世界でもトップセールスになったメンバーがいます。インサイド出身です。昨年も世界3位でした。彼が一番忙しい筈ですが、一番レスが早い(笑)。お客様訪問もしまくっている筈なのに。私のチームを卒業して2年経ちますが今でも彼は一番レスが早いです。
熊谷:
できる人の共通点はここですね。去年のDreamforceでそのNo.1の方と一緒に食事しましたよ。
鈴木:
私自身もChatter(社内で使っているSNSツール)投稿数といいね!数はグローバルでもトップの方なんですよ。
熊谷:
モニタリングは行なっていますか?
鈴木:
やります。フィードバックもします。基本的にマネージャーが定期的にメンバーのモニタリングをして、実際のメールや前後対応まで確認、評価しています。私は特に細かいので、マネージャーが何回メンバーのモニタリングをしているかまで管理しています。優秀なマネージャーほど現場でモニタリングしています。その件数を競っています。
salesforce鈴木淳一事業部長
セールスフォース談話スペース

キャリア形成について

熊谷:
インサイドセールスのキャリア形成はどんな形で考えると良いと思われますか?特に初めてインサイドセールスを行う人向けで。
鈴木:
弊社はキャリアステップを明確に決めてしまっています。反響型インサイドから始まり、そこから外勤営業に上がっていきます。インサイドセールスで営業力が育って行けば、担当するお客様の従業員規模数が段々と大きくなり、昇格していきます。最初はお客様の反響があるところから始めて、次は提案する新規開拓という形です。お客様の規模によって提案内容も変わってきます。御社でも担当する案件で個人→法人対応などステップは似ていると思います。


インサイトセールス・ユニバーシティ

鈴木:
2年前から育成モデルを作っています。インサイドセールスの卒業生、かなりの数を外勤営業に送り出しています。社内ではインサイトセールスユニバーシティ(Insight Sales University)と呼んでいるのですが、いわゆるトレーニングコンテンツは相当数揃ってきました。コンテンツ数は30-40位で授業として存在しています。単位制です。単位をクリアして初めて外勤営業になります。
熊谷:
それはあくまで社内向けのコンテンツでしょうか?長い人で何年くらい在籍されていますか?
鈴木:
コンテンツはあくまで社内向けです。インサイドは長い人で3年くらい、早い人だと1年で卒業します。大体2年のサイクルでメンバーが入れ替わります。
熊谷:
2年やれば一定のレベルになりますか?
鈴木:
できます。インバウンド1年、アウトバウンド1年やれば一人前という考え方です。
セールスフォース・ドットコム鈴木淳一事業部長

案件の割り振り、テクノロジーについて

熊谷:
電話やメール問合せの割り振りはどうされていますか?
鈴木:
セールスフォース・ドットコムのスプリンクラーという機能を使って一人一人に順番に割り振ります。そこは自動化しています。
熊谷:
問合せに優先順位まで付けますか?
鈴木:
優先順位もスコアリング機能で均等に割り振ります。イベント時にリードを獲得した時も点数の高い案件から振り分けます。
熊谷:
弊社は大変な思いをして振り分け作業をやっています。。。
鈴木:
Einsteinリードスコアリングいいですよ。弊社はインサイドがかなり進化していて、自分が現場だった7,8年前はスコアリングやマーケティングオートメーションはありませんでした。インサイドは基本リスト作りに一番苦労します。残業も多かったです。明日電話をするリストを作るので、例えば港区の不動産とIT企業の取締役以上のリードを400件作り、ローラーで全部電話します。でも今の新人は何をしているのかと言うと、その400件のリストは一緒ですが、ステップがもう二つあります。対象先に向けて朝にメール配信予約をかけて一斉送信します。加えて開封確認も行います。その上で電話。開封作業はEinsteinスコアに反映され、リストも更新されます。当然コネクトレートも以前より良くなっています。マーケティングオートメーションのお陰で無駄な作業が大幅に減っています。

インサイドセールスの社内でのポジション

鈴木:
弊社は創業時から「インサイドセールス」を活用して効率的にサブスクリプションモデルを広げるというビジネスモデルを構築していました。
熊谷:
知人の会社は毎月100社の新規契約を獲得して80社が解約なので赤字です(笑)。
鈴木:
それは意味がないですね。なので経営的にもインサイドを尊重する土壌があります。
熊谷:
弊社もその社風真似たいですね。私は現場を知っているので特にそう思います。
鈴木:
我々も一朝一夕にここまで来た訳ではなく、7,8年前は何となくインサイドの地位は低く感じました。自分達が工夫していたのは全社会議とかで必ずインサイドの議題を作ったりしていた点です。経営層の発言にも出してもらっていました。「これだけ生産性高く、結果がこんなに出ている」など。
salesforce鈴木淳一事業部長



日々、変化し続けるデジタルトランスフォーメーション時代において、インサイドセールスの重要性と魅力がご理解いただけましたでしょうか。
今後、弊社にとってインサイドセールスの役割と地位は、ますます高まってきます。DDSでは、共に時代を担う人材を広く求めています。

セールスフォース社内
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